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東京へ ともに歩む

毎日新聞
アスリート交差点2020

記憶に残るスイマーへ 想定超えた高速化=競泳・渡辺一平

 金メダルを目指した7月の水泳世界選手権は、男子200メートル平泳ぎで銅メダルに終わり、(私の)世界記録も塗り替えられました。ただ今の持っている力は全て出し切れたと思います。東京五輪に向けた課題が明確になりました。

     今大会、この種目は高速化が一気に進んだと実感しています。準決勝でマシュー・ウィルソン(20)=オーストラリア=が世界記録の2分6秒67をマークし、決勝ではアントン・チュプコフ(22)=ロシア=が2分6秒12の世界新をたたきだしました。

     決勝でゴールし、電光掲示板でまず自分のタイムを確認し、衝撃を受けました。2分6秒73は、セカンドベストの好記録でしたが、それでも着順は3番。このタイムでも銅メダルなのか--。それがレース後の正直な思いで、想定を大きく超えていました。

     2017年1月に私が世界記録を樹立して以降、2選手はこのタイムを意識し練習に励んできたと思います。同世代にこれだけ強いライバルがいることは今後の大きな励みになります。

     金メダルのチュプコフは典型的な後半型です。ラスト50メートルで一気に泳ぎのテンポが上がりますが、それを支えているのが前半100メートルです。最初50メートルのストロークを10かきで泳ぐことができ、かき数を極力抑えるのが特徴です。体力を温存しながら前半を1分2秒前半でまとめることができます。

     対照的にウィルソンは前半型です。さらに強みはスタートとターンでした。昨夏のパンパシフィック選手権で泳いだ時に比べ、格段にうまくなっていました。決勝の最終ターンでウィルソンとの距離を縮めましたが、浮き上がりで大きく前に出られました。

     東京五輪では2分5秒台が金メダルには不可欠だと思い知らされました。課題はラスト50メートルです。決勝は150メートルまではほぼ納得するラップを刻みましたが最後は33秒15と伸びを欠きました。

     世界記録保持者の座は譲り渡しましたが、追う立場の方が自分は燃えると思っています。悔しさを胸に厳しい練習を乗り越え、来年の大一番に向かいます。(あすは卓球・伊藤美誠です)(タイトルは自筆)


     Q 印象に残っている夏の思い出は?

     A 夏といえば地元の大分県津久見市の花火大会です。幼いころは家族で、中学生になると友達と出かける風物詩でした。市外からも多くの人が訪れ、津久見の人口が倍になると言われているほどにぎわいます。

     ただ高校生になると毎年、全国高校総体につながる九州大会と重なりました。上京して以降もシーズン真っただ中ですが、帰郷した友人らのSNSでその様子を見て元気をもらっています。


     ■人物略歴

    わたなべ・いっぺい

     大分県出身。佐伯鶴城高3年時の2014年ユース五輪男子200メートル平泳ぎで金メダル。16年リオデジャネイロ五輪で6位入賞。17年、19年世界選手権銅メダル。トヨタ自動車所属。22歳。