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旧優生保護法を問う

旧優生保護法下で不妊手術を強制された障害者らの記録に関する毎日新聞の全国調査で、強制手術を受けた人の約8割に当たる1万2879人の資料が確認できなくなっていることが判明した。「記録のない被害者」をどう特定し、救済につなげるか。

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強制不妊の女性が一時金申請へ 聴覚障害、結婚後2カ月で手術 名古屋

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愛知県聴覚障害者協会の関係者と協議する長嶋啓一さん、恵子さん夫妻(手前で腕が写る2人)=名古屋市中区で2019年7月29日午後0時20分、加藤沙波撮影
愛知県聴覚障害者協会の関係者と協議する長嶋啓一さん、恵子さん夫妻(手前で腕が写る2人)=名古屋市中区で2019年7月29日午後0時20分、加藤沙波撮影

 聴覚障害があり、旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を受けた名古屋市の女性が毎日新聞の取材に応じた。子どもを産み、育てられなかったことへの思いを、同じ障害を持つ夫とともに手話通訳を通して訴えた。愛知県聴覚障害者協会などは、救済法に基づく一時金申請などに向けて支援を始めた。

 夫妻は自営業、長嶋啓一さん(72)と恵子さん(69)=いずれも仮名。同じろう学校に通っていた2人は約45年前に結婚した。恵子さんは婚約した時から母に勧められて避妊薬を服用していたが、体調の悪化を感じていた。「もう限界」と母に伝えると、不妊手術を求められたという。

 「他のきょうだいに迷惑をかけないように」と、自分のことは自分でできるよう厳しく育てられ、母は恵子さんにとって絶対的な存在だった。「耳が聞こえない子が生まれたら大変だ。障害がなくても親が聞こえなければ意思疎通が難しい」との母の言葉に逆らえず、結婚後2カ月でやむなく手術を受けた。

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