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漆黒を照らす

/82 シリア・ヤズディ難民 豪州へ先行き見えぬ6年間 /大阪

ヤズディ教徒、ニダルさんはオーストラリアで難民として受け入れられた。シリアでは内戦以降、人口の半数を超える国民が故郷を追われた=避難先のイラクで2018年、本人提供

 ニダル・カンジョさん(24)は、2013年にイラクに逃れたシリア難民だ。当時、大規模な反政府デモが起き、アサド政権派と反体制諸派の戦闘が始まっていた。両親は、彼と弟が政府の兵役に招集されることを恐れ、イラクのクルド自治区に逃がした。2人はそこで難民キャンプに身を寄せた。彼は少数宗教ヤズディ教徒。

 5年前、過激派組織「イスラム国」(IS)は、ヤズディ教を「悪魔崇拝」と決めつけ、イラク・シンジャルで住民1500人以上を虐殺、女性を「性奴隷」として連行した。シンジャルは、シリア東部にあるニダルさんの故郷、ゼディエ村からそれほど離れていない。のちに、ゼディエ村にもISの部隊が迫った。両親は必死にお金を工面。家を守るためにゼディエ村に残ると決めた兄と、イラクに逃れたニダルさんと弟を除き、全員難民としてドイツへ渡る。クルド勢力はISに反撃し、村を守った。

 昨秋、私はシリア・ハサカのゼディエ村を訪れた。草原に点在する土壁の家々。かつて150世帯いた村の住民は脱出し、残ったのは、ニダルさんの兄と妻、幼い子どもの5人だけだった。

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