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余録

ブラジル中央部の先住民の神話では…

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 ブラジル中央部の先住民の神話では、もともと火を使い、弓矢を用いていたのは人間ではなくジャガーだった。ジャガーと暮らしていたある少年が、その家から火と弓矢を盗んで人々にもたらしたという▲この盗みで妻を殺されたジャガーは人間の裏切りに怒り、二度と焼いた肉を口にしないと誓い、爪と牙で猟をするようになった。今や火はジャガーの瞳の中だけで輝き続けているというのである(大林太良(おおばやし・たりょう)ほか編「世界神話事典」)▲ブラジルでは今年に入り森林火災が急増し、アマゾン地域では大規模な火災が続いている。焼かれているのは先住民やジャガーのすみかであるだけでなく、地球上の酸素の2割を供給して「地球の肺」と呼ばれてきた熱帯雨林である▲火災続発の背景には農地や鉱山の開発があるとみられ、今年発足したボルソナロ政権のアマゾン開発への積極姿勢との関連が指摘される。その政権は予算難を理由に消火活動を渋り、環境NGOによる放火説を唱えるありさまだった▲だがことは地球温暖化を加速させる「肺」の危機である。国際社会の批判を浴び、主要7カ国(G7)首脳会議でも議題とされるに及んで、同政権もようやく消火活動への軍投入を始めた。ただ火災の勢いはとても収まりそうにない▲「ブラジルでチョウが羽ばたくと、テキサスで竜巻が起きる」。気象の複雑さを示す言葉だが、アマゾンの森の焼亡は何を起こすのか。神々から火を与えられた人類すべてに課せられる熱帯雨林の保全と再生だ。

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