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出口見えぬ日韓関係 根本は徴用工判決にある

 日本はきのう、輸出管理の優遇措置対象国である「グループA(ホワイト国)」から韓国を外す措置を発動した。韓国は対抗措置として既に日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めている。

 日本は、国家間の信頼関係が失われたとの理由で外交問題を通商政策に絡めた。これを口実に、韓国は対立を安全保障問題にまで広げた。

 異なる分野で応酬し合い、関係悪化は底が見えない。ここまで対立が深まったのはなぜだろうか。

 発端は、昨年10月に韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた徴用工判決にあるということを改めて確認したい。本来は、韓国政府が自国内で解決策を見いだすべき問題だった。

 それなのに最近、韓国大統領府の高官は「日本政府や軍が関与した反人道的な不法行為は請求権協定で解決したと言えない」と述べている。

 司法の判断を追認する形で、これまでの解決済みとの見解を変更する考えを示唆したものだ。日本が不信感を抱くのは自然なことだろう。

 韓国政府は、対話の努力を続けてきたと主張する。しかし、日本が求めた請求権協定に基づく2国間の協議や仲裁委員会の設置には応じなかった。ボールは日本にあるとの立場には同意できない。

 それでも、日本政府によれば、外交当局間では徴用工問題が最大の問題との認識を共有しているという。

 日本は、韓国が冷静に検討できる環境を整える必要があろう。河野太郎外相は「歴史を書き換えることはできないと韓国は理解すべきだ」と批判した。高圧的とも言える発言は韓国の感情を逆なでするだけだ。

 文在寅(ムンジェイン)政権は、日本が輸出規制を見直せばGSOMIAの破棄決定を再検討しうるとの考えを示している。防衛協力に関する重要な枠組みを、交渉のカードとして使うとはあまりにも軽率である。

 北朝鮮に対するアプローチの違いも顕在化している。文政権は日米韓3カ国の枠組みで北朝鮮と対峙(たいじ)するよりも、南北対話で朝鮮半島の緊張緩和を進めたいという思いが強い。

 日韓両国は東アジアの民主主義国家として重要なパートナーである。戦略的な利益や地域の将来像について認識をすり合わせるためにも、政治レベルの対話が必要な時だ。

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