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「表現の不自由」考

少女像が「日本へのヘイト」にならない理由 明戸隆浩・東大特任助教

ヘイトスピーチについて研究を続けてきた明戸隆浩・東大特任助教=東京都内で2019年8月20日午後4時34分、塩田彩撮影

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止を巡っては、従軍慰安婦をモデルにした「平和の少女像」や昭和天皇の肖像を含む作品が燃やされるシーンのある映像に対して、「日本人へのヘイトだ」という言説がネット上や一部報道で飛び交った。だが、ヘイトスピーチを研究してきた明戸隆浩・東大特任助教(社会学)は「これらの作品はヘイト表現ではない」と指摘する。そもそも「ヘイト」とは何なのか。表現の自由の原点とは何か。【聞き手・塩田彩/統合デジタル取材センター】

 「ヘイトスピーチ」を巡っては、世界でもEU(欧州連合)諸国など、罰則を設けて規制している国が相当数あり、何がヘイトスピーチにあたるのかは法的判断が積み重ねられています。日本でも2016年に「ヘイトスピーチ解消法」が施行され、罰則規定はないものの定義が示されました。特に日本の法律は、正式名称を「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」といい、ヘイトスピーチの被害対象を日本国外の出身者とその子孫としています。これは、2000年代後半から各地で目立つようになった在日外国人への差別的言動を防ぐことを念頭に置いているからです。

 その意味では、そもそも日本国内において、「日本人へのヘイト」「日本へのヘイト」という言葉は、法律的には正しくありません。

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残り2540文字(全文3122文字)

塩田彩

大阪府出身。2009年入社。前橋支局、生活報道部を経て19年5月より統合デジタル取材センター。障害福祉分野を継続的に取材しています。好物は児童文学。

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