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社説

ラグビーW杯日本大会 北から南までスクラムを

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 五輪やサッカー・ワールドカップ(W杯)と並ぶスポーツの世界的イベント、ラグビーW杯日本大会の開幕が来月20日に迫った。31人の日本代表も発表され、これからさらに盛り上がりを見せるだろう。

 第9回の今大会はアジア初開催となる。北海道から九州まで全国12会場で44日間にわたり行われる。

 会場の一つ「釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム」がある岩手県釜石市は、東日本大震災で多くの犠牲者が出た一方、防災教育を生かして小中学校の児童・生徒が即座に避難し、ほぼ全員が津波の難を逃れた土地だ。

 そんな町の歴史を示すスタジアムには外国からの観戦者も多く訪れるはずだ。震災の記憶を世界の人々に伝える機会にしたい。

 各地では独創的な取り組みが行われている。釜石市では、日本のルールやマナーを外国人に知ってもらおうと独自の絵文字を作成した。埼玉県熊谷市では市民が合唱団を結成し、国歌でファンらを歓迎する。こうした試みは大会の支えとなる。

 気になる話もある。大会期間中に各チームが滞在する61自治体の公認キャンプ地での練習拠点や日程が「原則非公表」となっている点だ。

 選手と市民による草の根交流はスポーツ文化の発展に不可欠だ。2002年サッカーW杯日韓大会が縁でカメルーンと交流が続く大分県日田市中津江村の例もある。五輪やパラリンピックでも施設公表は自治体と相手国の協議に委ねられている。

 日本は若者のラグビー人口が伸び悩む。ラグビーを身近に感じてもらうことは競技人口増加やファンの裾野拡大の契機になる。交流の窓口を広げる手立てを組織委に求めたい。

 大会は、これからの日本社会の在り方を考える鍵にもなりそうだ。

 ラグビーは外国籍でも一定の条件をクリアすれば代表になれる。日本代表は15人が海外出身で、主将のリーチ・マイケル選手は日本国籍を取得したがニュージーランド出身だ。

 合宿中、リーチ選手は日本の歴史や文化を全員で学ぶ機会を設け、結束を図ったそうだ。人種や民族の違いを乗り越え、思いを一つにする。その姿勢に学ぶところは大きい。

 多様な文化を受け入れ、共生社会を目指す大会に日本中から声援を送りたい。

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