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張競・評 『黒い豚の毛、白い豚の毛 自選短篇集』=閻連科・著、谷川毅・訳

 (河出書房新社・3132円)

仲間たちへの鎮魂の音符

 劉根宝は呉家坡(ごけは)の貧しい農民で、二十九歳になってもまだ独身。劉という名字は村に一軒しかなく、親類縁者が助け合う村落共同体では立場の弱い存在だ。彼は生まれつき軟弱で、若い女性にも下目に見られている。

 そんな意気地のない男だが、ある日、帰宅したなり、父親に刑務所に入るつもりだと言い出した。驚いた両親がわけを聞くと、何でも鎮長(町長)が運転する車が人を轢(ひ)いてしまったから、替え玉になって、警察に出頭したいという。町長に貸しを作れば、その力で貧困から脱出し、嫁がもらえるかもしれない。

 仲介する村の肉屋さんに行くと、何と身替りになりたい人はほかに三人もいる。それぞれ目的は違うが、いず…

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