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社説

ブラジルの森林火災 地球規模の課題に責任を

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 南米ブラジルでアマゾン川流域の熱帯雨林の火災が多発している。ブラジルのボルソナロ政権が、環境保護より開発を重視していることが背景にある。

 アマゾンの熱帯雨林は550万平方キロと世界最大で、二酸化炭素を大量に吸収している。このため地球温暖化の進行抑制に欠かせない存在として「地球の肺」とも呼ばれている。

 そこでの今年1~8月の森林火災件数は4万4000件を超え、昨年同期の約2倍になる勢いだ。二酸化炭素のみならず有害な一酸化炭素も排出し、環境問題となっている。

 これは農牧地拡大や鉱山開発のための違法な森林伐採や焼き畑が原因と見られている。先住民が多い熱帯雨林は本来、開発・利用が制限され、保護されてきた。

 ところが、低迷する経済の起爆剤にアマゾン開発を主唱するボルソナロ大統領が1月に就任して以来、規制は緩和され、監視は弱まり、森林破壊や乱開発が目立っている。

 欧州諸国は、森林火災が地球温暖化を加速させる「国際的危機」だと懸念している。先の主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、マクロン仏大統領の主導で、消火活動支援のため2000万ドル(約21億円)の拠出を決めた。

 だが、ボルソナロ氏は森林火災を国内問題だとし、ブラジル抜きのG7で協議されたことが「誤った植民地主義的な思考だ」とまで言った。

 ボルソナロ氏は「ブラジルのトランプ」と呼ばれる自国第一主義者だ。地球温暖化対策に後ろ向きで、一時は国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱も説いていた。就任後、環境保護団体への補助金を削減するなど、国内でも批判を受けている。

 貧しい北部地区を開発し、国内の格差是正を図り、経済を発展させようとする国家としての権利はある。豊かさを先に得た先進国の口出しに対する不満もあろう。

 しかし、各国が個別の利益にだけ固執していたら、地球温暖化という人類にとっての脅威に立ち向かうことはできない。地球規模の課題に向き合い、責任を持つことは、現代の国家指導者の務めだ。

 政権はようやく消火活動や防火策に乗り出した。環境への配慮を重んじてほしい。

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