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社説

危険なあおり運転 追放のための法整備必要

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 社会の関心が高まっているあおり運転を取り締まるため、警察庁が新たな法整備の検討を始めた。

 茨城県内の常磐道であおり運転をした男が後続の車を停止させ、乗っていた男性を殴ってけがをさせたとして傷害容疑で逮捕された。

 被害男性の車のドライブレコーダーには、男の車が前方に割り込み、急な車線変更や減速を繰り返す様子が映っていた。極めて悪質だ。

 命の危険を伴う行為であるにもかかわらず、現行の法律にあおり運転そのものを罰する規定はなく、あおり運転の明確な定義もない。

 あおり運転は、神奈川県内の東名高速で2017年、追い越し車線に停止させられた車がトラックに追突され、夫婦が死亡した事故を契機に社会問題化した。

 警察庁はまず、現行の法律の運用による取り締まりの強化を全国の警察に指示した。

 道路交通法で前との車間距離を詰めすぎる行為は禁じられている。この規定違反による摘発は昨年、1万3000件を超え、前年からほぼ倍増した。

 また、直接の暴力行為がなくても、相手に恐怖心を与えたとする刑法の暴行容疑での立件も積極的に検討され、昨年は24件に適用された。

 だが、車間距離の規定違反の罰則は、高速道路の場合でも3月以下の懲役または5万円以下の罰金にとどまり、軽すぎるという声がある。

 昨年7月には、堺市であおり運転を受けたバイクの男性の死亡事故が起きるなど、歯止めがかかったとは言い難い。

 悪質さに見合った罰則を定める必要がある。

 あおり運転を罰するには、後から違法行為があったことをどう立証するかという問題がある。大きな武器となるのはドライブレコーダーだ。

 鳥取県は先月、県民がマイカーのドライブレコーダーを新規購入・設置する費用の一部を補助すると発表した。こうした普及を促進する行政の取り組みも今後重要となる。

 あおり運転への関心の高まりは、デジタル社会で悪質運転が動画に残され、多くの人の目に触れるようになったこととも関係があるだろう。

 あおり運転を追放するため、時代に合った法整備を求めたい。

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