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たたなづく

執着からの解放 アートの力=河瀬直美

森美術館「塩田千春展」にて=河瀬直美さん提供

 現在、東京・六本木にある森美術館にて開催中の塩田千春展「魂がふるえる」に行ってきた。「不在の中の存在」をテーマにして、赤い糸をつなげてゆく行為を繰り返す彼女の姿勢に共感しつつ展覧会場を巡った。

 初期の頃には、森の中の大木の根のあたりに生まれたままの姿で身を埋(うず)める行為を繰り返したり、泥水の中にその身を委ねたりし続けた彼女が、いつの頃からか、会ったことのない人々の「記憶」をつなげる作業に没頭し始める。彼女いわく、人間の「脳」は「過去」から「今」を見るようにできていて、「脳」が無いと「過去」も「未来」も無いと聞いて、私は宇宙空間にぽっかりと浮かんでいる自分を想像していた。そこには、感情を放棄して、ただよう自分がいた。

 私たち人間は何かに「執着」して生きているようだ。それはモノだったり、ヒトだったりする。しかしそれらから解放されたとき、たった一人でも立っていられる強い自分を発見するのではないだろうか? それでも人は「あなたはたまたまここにいる」という無意味な存在だと認識されることに、とても不安を覚える生き物だ。いや、「あなたがここにいることにはとても意味がある」と言われることに、とても喜びを覚える生き物だという…

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