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大岡信と戦後日本

/17 前衛劇とモンロー 物質主義の中の暗黒と生命

東京・赤坂の旧草月会館(1967年撮影)。同じ場所に77年、現在の新会館ができた。ともに草月ホールを備え、設計は丹下健三

 1964年5月1~24日、草月ホール(東京・赤坂)で上演されたある前衛劇が話題を呼んだ。米国の女性ダンサー兼振付師、ジーン・アードマンが脚本・演出・主演した実験的なミュージカル「6人を乗せた馬車」である。大岡信も鮮烈な印象を持った一人だった。

 「アードマンの踊りの最後の部分にあらわれた、大河のイメージ――生命、暗黒、死、復活、それらすべてを含めて流れる泥のイメージ――は、ぼくに強いショックを与えた」。公演後間もなく書かれた文章「日記風の断片」(『文明の中の詩と芸術』66年、所収)によれば、少なくとも2度見ている。続けて「東京のまちは今おどろくほど大量の泥に覆われている。いたるところ工事中で、いたるところ泥が露出している」と、五輪を秋に控えての首都大改造を記している。

 どんな劇だったか。本紙同月9日夕刊の劇評(演出家、菅原卓執筆)は「『6人』の舞台に登場するのは五人だけ。その女3、男2が、しゃべり、歌い、擬音を発し、詩を朗読、ナレーション、傍白、奇声を発し、哲学めい想し、ヤジりまくる」と描写している。

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