SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『最後の兄弟』『まなの本棚』ほか

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

今週の新刊

◆『最後の兄弟』ナタシャ・アパナー/著(河出書房新社/税別2300円)

 ナタシャ・アパナーは本稿初紹介の女性作家。1973年にアフリカで生まれ、現在フランス語圏で活躍する。『最後の兄弟』(藤沢満子・石上健二訳)は、そんな新しい才能に触れるにふさわしい、心に食い込む青春小説。

 まだ少年だったラジは、森の中の家で父母たちと住んでいた。そこにユダヤ人を収容する刑務所があった。母とラジを徹底的に暴力で痛めつける父はここの守衛をしていた。

 ある日ラジは、父から暴行を受け入院した病棟で、ブロンドの巻き毛で白い足を持つ少年ダヴィッドと出会う。プラハから来た身寄りのない不思議な少年とラジはすぐ仲良くなり、心の支えになった。彼が口にする「ユダヤ人」の意味をラジは知らない。

この記事は有料記事です。

残り1416文字(全文1752文字)

あわせて読みたい

注目の特集