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北海道地震あす1年 継いだ旅館で夢挑戦 ボランティアが縁、厚真の人つなぐ

改装した旅館内で話をする竹内瑞穂さん=北海道厚真町で4日、貝塚太一撮影

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 北海道胆振(いぶり)東部地震で、一時はついえそうになった夢に挑戦する女性がいる。福岡県出身の竹内瑞穂さん(45)。地震後に厚真町で始めた震災ボランティアが縁で、後継者を探していた地元の老舗「押見旅館」を引き継いだ。地震から1年を迎える9月末には旅館の食堂を活用し、念願だった学習塾を開く。【源馬のぞみ】

 町の中心部にある「Dino(ディノ)旅館」。当地で約40年営業してきた押見旅館を改装し、今年6月にオープンした。復興作業に関わる工事関係者に加え、オーストラリアや台湾など道内外の観光客が相手だ。

厚真町/京極町

 竹内さんは京都の大学を卒業後、国内各地で警備員や新聞配達などさまざまな仕事に就いた。たまたま立ち寄った北海道が気に入り、15年前に京極町に家を見つけて移住。大学で教育学を学んだ経験を生かして学習塾を開いた。

 厚真町が町内での起業を応援していることを知り、応募したのは2017年。「町内外の子どもたちが学び合う宿泊型の学習塾を開こう」。イメージが浮かんだ。

 審査に合格し、幌里地区の小学校跡地で18年9月、開塾する矢先だった。地震が起き、吉野地区で死亡した19人の中に、応募時の審査員で、励ましてくれた町職員の中川信行さん(当時62歳)もいた。

 下見に何度も行った場所は木がなぎ倒され、美しい田園風景は一変していた。開塾計画は白紙に戻った。

 震災翌日には自宅から町内の避難所に通い、マッサージのボランティアを始めた。阪神大震災や東日本大震災の被災自治体でボランティア経験があり、昨年末まで少なくとも週1回は訪れた。

 これが縁になって昨年11月、押見旅館の関係者から「旅館をやってみないか」と声を掛けられた。旅館は昔、結婚式や囲碁大会が開かれ、地元の人々がつながる場所だった。「面白そう」。竹内さんは即決した。

 旅館には大きな食堂があった。「ここで子どもを集めて塾を開きたい」。夢の構想が再燃した。館内は知人の応援で改装し、多言語対応のチェックインシステムも導入した。

 「勉強している子どもたちと宿泊客が交流したり、アルバイトの大学生が町民と関わりを持ったり。人が集まってつながり、経済効果や雇用を生む場になっていけばいい」。竹内さんが作った人の輪は広がり続ける。


 ■ことば

北海道地震

 2018年9月6日未明、北海道胆振地方中東部を震源に発生し、厚真町で最大震度7を観測した。土砂災害などで災害関連死3人を含む44人が犠牲になり、785人が負傷した。道内は一時全域が停電する国内初の「ブラックアウト」に陥った。

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