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余録

「げんこつ」を引くと…

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 「げんこつ」を引くと「にぎりこぶし」とある辞書で、「にぎりこぶし」を「げんこつ」とだけ説明していれば「循環定義」である。どこかに「にぎりこぶし」が指を折って固めた状態と分かる説明が必要となる▲辞書の作り手は言葉の意味が宙に浮いたままにならないよう気を配っていよう。だが世の中には、はなから意味を現実に着地させないようにした“定義”もあるようだ。その手の語法や文章のエキスパートはやっぱり役人と政治家か▲公文書管理のガイドライン改定後、首相官邸などの打ち合わせ記録が作成されぬ事態を追及する小紙の「公文書クライシス」だ。実は改定案制定時、すでに複数の省庁から記録作成を求める規定のあいまいさが指摘されていたという▲「都合良く解釈できる」「裁量的余地があればやすきに流れる」「担当者の主観で判断が分かれる」。これらは記録すべき打ち合わせの定義に寄せられた省庁の意見である。今の事態は予測されながら内閣府は聞く耳をもたなかった▲もともと森友・加計(かけ)疑惑などで記録のないことへの批判から改定されたガイドラインである。なのに必要な記録の定義は役人が読めば宙に浮いたままだった。記録せぬことの大義名分が新たにできたのだとすれば、何をかいわんやだ▲法律や契約に忍び込ませて全体を骨抜きにする抜け道条項を米国では「ジョーカー」と呼ぶそうだ。政治家や役人だけが手の内を永遠に隠し通すことのできるババ抜きゲームはもういいかげんにしてほしい。

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