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トランプ氏にハリケーン進路「書き足し疑惑」、批判回避狙うも逆効果

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 9月4日、ホワイトハウスの執務室で記者会見を開いた際に、米海洋大気庁(NOAA)が作成したハリケーン「ドリアン」の進路予想図を示すトランプ米大統領(右)と、マカリーナン米国土安全保障長官代行。手書きと思われる予報円が書き足されているのがわかる(2019年 ロイター/Jonathan Ernst) 拡大
 9月4日、ホワイトハウスの執務室で記者会見を開いた際に、米海洋大気庁(NOAA)が作成したハリケーン「ドリアン」の進路予想図を示すトランプ米大統領(右)と、マカリーナン米国土安全保障長官代行。手書きと思われる予報円が書き足されているのがわかる(2019年 ロイター/Jonathan Ernst)

 [4日 ロイター] -  1日、自身のツイッターでハリケーン「ドリアン」がアラバマ州にも影響すると、誤った情報を発信して批判を浴びたトランプ米大統領。4日の会見で軌道修正を図ろうと、8月29日時点の予想図を示したのだが、明らかに手書きでアラバマ州の上に予報円が書き加えられており、批判が収まるどころか逆に強まってしまった。

 

  トランプ氏は1日、自らのツイッターで「アラバマ州も『ドリアン』の影響を受ける可能性が最も高い」と発表。ところがその20分後、米国立気象局(NHS)が「アラバマ州は影響なし」と訂正したため、批判を浴びていた。

 

  この批判を和らげようと狙った会見が、火に油を注ぐ結果に。トランプ米大統領が4日の会見で示したのは、米海洋大気庁(NOAA)が先月29日に作成した、ハリケーン「ドリアン」の進路予想図だ。

 

  ところがそこには、明らかに油性ペンで書き足した黒い線が。実際に発表されたハリケーンの予報円から、アラバマ州南東沖に延びる黒い線が手書きで描かれていたのだ。

 

  トランプ氏は「当初の予想ではフロリダ州を直撃するとみられていた。他の多くの州にも影響を与える可能性があった」と、油性ペンで書き足した進路予想図を示しながら、自らのツイートの「正当性」を強調した。

 

  この会見の結果、SNSでの批判は収まるどころか加速。ツイッターでは「油性ペン」という言葉がトレンドワードになった。

 

  また米NBCのお天気キャスター、アル・ローカー氏は、誤った天気予報を伝えた場合、罰金か90日以下の禁錮刑、またはその両方が科される可能性があるという米国の法律を紹介した。

 

  高まる批判に対しトランプ氏は反撃に出た。当初予想された複数のドリアンの進路パターンを示しながら、「ご覧の通りほぼすべての予想が、フロリダだけでなくジョージアやアラバマを通過すると示していた。フェイクニュースの謝罪は受け入れてやる」とツイートした。

 

  実際の「ドリアン」はと言えば北進を続けており、サウスカロライナ州へ向かっている。5―6日頃、沿岸に到達するとみられ、住民は高波や暴風に警戒を強めている。

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