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あしたに、ちゃれんじ

あしたに、ちゃれんじ チャリティーショップ「ふくる」 個性活かし地域つなぐ=中川悠 /大阪

コープの売り場の一角にある「ふくる」で笑顔を見せる清田仁之さん。車いすや高齢者の目線に合わせ、服は低い位置にディスプレーするなど配慮している=兵庫県尼崎市で、中川悠さん撮影

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 「毎日、服を買うついでに、しゃべりにくるねん!」「車いすでもファッションの仕事に携われるのがうれしい」。

 今年4月、兵庫県尼崎市・園田に「ふくる」と名付けられた、ちょっと変わった洋服のチャリティーショップがオープンした。場所はコープ尼崎近松店の1階。店員は脳性まひのある障がい者や地域ボランティア。

 取材に伺った日は、地元の高校生がボランティア店員として、おばちゃんたちと楽しそうに雑談をしていたり、またある日は障がいのある男性が車いすで、お客様に派手やかな服の試着を促していたり。レジ横の小さなスペースは、地域で暮らすさまざまな世代の交流拠点になっている。

 この店を手がけたのは、園田で障がい者の生活支援をしているNPO法人「月と風と」の代表理事である清田仁之(まさゆき)さん(44)。「キッカケは、支援をしている脳性まひのある26歳の男性の月給が、たった2000円だったこと。この状況を改善させようと動き出したのです」

 清田さんは熊本県出身。関西の大学に在籍中、プロ劇団の役者として青春時代を過ごした。「演劇活動の中で学んだことは、個性は強みに変わるということ。福祉の世界で障がい者の個性を活(い)かせる場を作りたいと、この業界に飛び込みました」。2006年に自身が代表を務めるNPO法人を尼崎市内に設立。障がい者のヘルパー派遣を中心に、地域を元気にする場づくりや仕事づくりに全力投球してきた。

 今回、清田さんは「細かい作業は苦手だが、話すことと着飾ることが好き」という当事者の声に注目した。そして「国内に流通している服の多くがリサイクルされないまま捨てられている」という社会課題にも興味を持った。可能性を感じたのが、地域から寄付された服を集め、販売した売り上げでお店を回していくチャリティーショップ。神戸やロンドンの店舗も視察した。

 地元のつながりの中で折に触れ、チャリティーショップの可能性を語った。そのたびに、どんどん理解者が増えた。高校生や社会人は「ボランティアをしたい!」と手を挙げ、コープこうべの職員は「場を提供したい!」と声をかけてくれるまでに。彼の夢は一気に実現に向かっていった。「初日のテープカットには、尼崎市長も駆け付けてくれたんですよ」

 脳性まひの男性は車いすを使いながら、憧れのアパレルスタッフになることができた。「車いすの店員がいるとね、お客様も『応援したい!』と訪ねてきてくれて、買い物しやすくなるんです」。笑顔で働く男性と話したいと、また新しいお客さんが訪ねてくる。一人ひとりの強みの活かし方こそが、地域をつなげる大切な要素なのだと感じた。

 「こんな風変わりな店に、地域の皆さんの古着がどんどん集って、地域のボランティアが集い、地域の課題をみんなで解決できたなら、とってもおもしろいですよね」。清田さんの地域での取り組みは、これからもどんどん広がる。<次回は10月4日掲載予定>


ふくる

 営業は水~土曜、11~15時。尼崎市上坂部3の11の1、コープ尼崎近松店(06・6496・0227)内。


 ■人物略歴

なかがわ・はるか

 1978年、兵庫県伊丹市生まれ。NPO法人チュラキューブ代表理事。情報誌編集の経験を生かし「編集」の発想で社会課題の解決策を探る「イシューキュレーター」と名乗る。福祉から農業、漁業、伝統産業の支援など活動の幅を広げている。

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