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南平台温泉ホテル/上 館内の大衆演劇、盛況 震災復興も人情が支え /東京

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東日本でも屈指の人気を誇る「劇団美松」の松川小祐司さん(左)と翔也さん(右)=栃木県那珂川町の南平台温泉ホテルで
東日本でも屈指の人気を誇る「劇団美松」の松川小祐司さん(左)と翔也さん(右)=栃木県那珂川町の南平台温泉ホテルで

 ◆南平台温泉ホテル 栃木県那珂川町小口1342

 ホテル内に大衆演劇の劇場がある。「みなみ座」という。ここで「劇団美松」が毎年9月に定番の公演を催す。兄の松川小祐司さん(27)と弟翔也さん(25)の2人が劇団の座長を務める。妖艶な女形や高速自在の殺陣……。2人は女形も男形も演じ分け、観客を魅了する。

 みなみ座は2001年にオープンした。ホテル内の日帰り入浴施設「観音湯」の活気を取り戻すためだった。そのこけら落としでは、まだ小学生だった松川兄弟、その両親や祖父も出演した。各地の劇場が減り続ける中、みなみ座は日帰り入浴客や宿泊客のファンを増やし、順調に運営を続けてきた。

 しかし、転機が訪れる。11年3月の東日本大震災である。幸い来館客やスタッフらに大きなけがはなかったが、ホテルの一部が損壊し、劇場や観音湯の一部は使えなくなった。「再建は無理だ」。取引銀行の行員がつぶやいた言葉が篠崎暢宏社長(73)の耳に今も残る。だが、それは覆された。大工の心得があるスタッフらが立ち上がり、10室程度の客室や源泉建屋などを修理し、3月中にホテルと観音湯の営業を再開させたのだ。被災…

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