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犬が西向きゃ

消えゆく蜂蜜の森=高尾具成

 児童文学作家・庄野英二(1915~93年)の「星の牧場」(理論社刊、長新太挿絵)を幼い頃に読み、蜂飼い(養蜂家)へのあこがれを持った。復員兵モミイチと愛馬ツキスミを主人公にした重いテーマの作品だが、ハチの羽音とも重なる音楽的な読後感が強く印象に残っている。

 蜂蜜はミツバチにより、集められた単なる花の蜜ではない。巣への貯蔵過程で、酵素を含むミツバチの「唾液」が混じり、ショ糖成分がブドウ糖と果糖に分解される。巣ではミツバチが水分を蒸発させ、濃縮状態を作り出す。自然の調和が織り成す特別な産物だ。

 東アフリカ・ケニア西部のマウ森林に暮らす先住民「オギエク」を訪ねた時のことだ。オギエクはケニアの4…

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