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スミレの香り

/99 馳星周 画 田中靖夫

「おれもだ」

 わたしは電話を切った。

    * * *

 吉澤ファームの敷地に、祥子の乗っていたカングーは見当たらなかった。哲也がひとりでキャベツを収穫している。哲也の周りにはいくつもの段ボール箱が無造作に置かれていた。中には収穫したキャベツが入っているようだった。

 わたしのキャンピングカーが近づいていくと、哲也は作業をやめて腰を伸ばした。

 わたしは家の前で車を停(と)めた。家の中からレオの吠(ほ)える声が聞こえてきて、カムイが耳を立てた…

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