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社説

西川日産社長の辞任 企業体質の改善が優先だ

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 日産自動車の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が16日付で辞任すると表明した。株価に連動した役員報酬をめぐり、不当に上乗せされた報酬を得ていたことが発覚し、トップを続けられなくなった。

 日産は前会長のカルロス・ゴーン被告による会社資金の私的流用など不正事件で信頼を失墜させた。自らも不当報酬を得た西川氏に信頼回復の担い手が務まらないのは当然だ。

 8年前に代表取締役となった西川氏はゴーン体制を中核として支えてきた。このため、もともとゴーン被告の不正を長年、見逃した責任問題がくすぶっていた。

 今回の不当報酬問題は、ゴーン事件に関連して起訴された前代表取締役のグレッグ・ケリー被告が6月はじめに月刊誌で指摘していた。

 6月下旬の株主総会では、株主から西川氏の責任を問う声が相次ぎ、日本生命保険など大株主の機関投資家4社は西川氏の取締役選任議案に反対した。

 にもかかわらず、日産は社外取締役も含めて西川社長体制にこだわってきた。ゴーン時代のワンマン経営の影響でトップ候補が乏しく、連合を組む仏ルノーからの経営統合圧力に対抗するにも、事情を熟知した西川体制が最善と判断したようだ。

 西川氏もゴーン被告の「会社私物化」を厳しく批判して自らのトップとしての正当性を強調してきた。しかし、今回の不当報酬問題で顧客や株主などの不信感が極まり、西川体制はもたなくなった。

 日産では他の元役員が不当報酬を得ていたことも判明している。経営陣の間に不正体質がまん延していたのではないかとさえ、疑われかねない深刻な状況だ。

 日米をはじめ主力市場で販売不振の日産は業績悪化に歯止めが掛かっていない。グループ従業員の約1割に当たる1万2500人規模の人員削減計画を打ち出したが、経営陣が信頼されなければ、リストラも円滑に進められない。

 当面、CEO代行を置く一方、社外取締役が中心の指名委員会が10月末までに新たなトップを選ぶという。今度こそ、ゴーン時代のしがらみを断ち切れるトップの下、企業体質改善を急がなければ、日産再生はおぼつかない。

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