地球温暖化対策では、大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収する森林の適切な管理が欠かせない。国内で手入れが行き届かない森林も多い中、積極的な整備に取り組む現場を取材し、吸収源保護の必要性について考えた。
●伐採と植林
6月下旬、高知県大川村を訪ねた。森林を貫く林道を車で上ると、突然、視界が開ける。樹齢87年のスギを約2・2ヘクタールにわたり全て伐採(皆伐(かいばつ))した住友林業(東京都)の社有林だ。近くの斜面では、皆伐地に数年前、手作業で苗木を植えたというスギが高さ約1メートルに育っていた。
2・2ヘクタールの皆伐地を前にして、同社新居浜(にいはま)山林事業所(愛媛県新居浜市)の矢野弘芳・副所長は「機械化で作業コストを下げ、適切な時期に皆伐して植えるサイクルを続けたい」と話した。高知県本山町にはスギやヒノキの苗木を年約30万本生産できる同社の育苗センターがある。この皆伐地では今夏、植林に向けた作業が進められた。
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