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ラグビーW杯に向け各国が事前合宿 日本移住の先人や元選手らが橋渡し

地元幼稚園児の歓迎に応え、サイン入りラグビーボールを手渡すスコットランド代表選手=長崎県大村市の長崎空港で2019年9月10日、中山敦貴撮影

 20日開幕するラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会を前に、出場国・地域が続々と到着し、事前合宿を始めている。地域活性化や国際交流に役立つと誘致に励んできた各自治体の成功の陰には、日本に移り住んだ先人との強い絆や、元選手による「橋渡し」があった。

160年の友情 スコットランド、長崎到着

 10日、長崎空港で地元幼稚園児らの出迎えを受け、長崎市で事前合宿に入ったスコットランドは、幕末の長崎を拠点に活躍し、造船業、炭鉱開発など日本近代化の礎を築いた英国商人、トーマス・グラバーの古里だ。生地の旧実家に掲げられた銘板では「スコットランドのサムライ」と紹介され、市内に残る「旧グラバー住宅」は、現存する国内最古の木造洋風建築で、世界文化遺産でもある。

 「グラバーの存在はスコットランドと長崎が歴史的なつながりを持ち、二つの文化が協働できると示す良い例だ」。スコットランド・ラグビー協会メディア局長のマット・ホーラーさんは、キャンプ地の選定では文化的背景も考慮したと明かす。

 長崎市は約160年前にグラバーから始まった交流を背景に誘致を交渉。地元中学のラグビー選手をスコットランドに遠征させるなどして関係を深めてきた。友好を記念してデザインされた格子柄「長崎タータン」は、スコットランド代表のW杯用ジャージーの襟部分に採用された。田上富久市長は「長崎が世界とつながる街として発信する機会にしたい」と期待を込める。

 協会側は、長崎市との交流を大会後も続ける方針で、ホーラーさんは「昔から一緒にビジネスをしてきた。将来も良きパートナーでありたい」と語る。

フィジー出身の元選手 秋田合宿誘致を橋渡し

 一方、南太平洋のフィジーが12日まで事前合宿する秋田市は、フィジー出身のセタレキ・タワケさん(52)がパイプ役を担った。フィジー代表としてW杯に2回出場し、2007年から秋田市のクラブチームで活躍した元選手だ。10年の引退後も市内で暮らす。

 秋田市は今回、ラグビーが盛んな佐賀、大分両県と誘致を争った。フィジー・ラグビー協会に人脈を持つセタレキさんを介し、札幌市などフィジーの試合会場に近いメリットなどをアピールし、誘致に成功した。昨年に日本国籍を取得し「きりたんぽ鍋」が好物と、すっかり秋田に溶け込むセタレキさん。「ラグビーとフィジーに関心を持つ市民が一人でも増えたらハッピー」と意気込む。【浅野翔太郎、中村聡也】

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