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安倍内閣の大幅改造 本気で懸案の「仕上げ」を

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 通算8年になろうとしている長期政権も、安倍晋三首相が「総裁4選」を考えないのであれば長くてあと2年である。このため今回の内閣改造は政権の「仕上げ」へ向けての大幅改造と位置づけられよう。

 新内閣が仕上げるべき懸案の一つがアベノミクスの出口に道筋をつけることだ。異次元の金融緩和は成長戦略に取り組むための時限措置だったはずだ。しかし、デフレ脱却の目的を果たせないまま財政・金融のリスクが膨らんだ。その責任は首相と麻生太郎副総理兼財務相にある。

 首相は麻生氏と菅義偉官房長官を内閣の骨格として留任させた。この異例の経済政策を次の政権に引き継ぐつもりなのだろうか。

 もう一つ、長期政権の仕上げに欠かせないのが国民の将来不安に応える政策だ。安定した政権基盤は国民に負担増を求める社会保障制度改革などの難題に生かすべきだろう。

 首相は側近の加藤勝信氏を厚生労働相に再起用し、新設する「全世代型社会保障検討会議」の担当にも側近の西村康稔氏を充てた。首相自身が長期的な視野に立って将来不安の解消に責任を持ってもらいたい。

 10月の即位礼正殿の儀が終われば、皇位の安定的な継承という懸案に内閣として取り組むことになる。

 男系男子による皇位継承を絶対視する右派団体「日本会議」の中心メンバーで首相側近の衛藤晟一、萩生田光一両氏を入閣させたことは、女性・女系天皇を認めないスタンスを打ち出したように映る。

 初入閣が13人に上ったのは、主要派閥の待機組に配慮しつつ、側近議員たちを重用した結果だ。党内からは「側近の在庫一掃」などと皮肉る声も聞かれるが、それだけ政権の保守色が強まったのは間違いない。

 その中で首相は小泉進次郎氏を環境相に起用した。「お友だち内閣」批判を薄めたい思惑もありそうだ。

 首相は、党人事では二階俊博幹事長や岸田文雄政調会長を留任させ、党を挙げて憲法改正に取り組むよう指示した。長期政権のレガシー(遺産)としたいのだろう。

 しかし、これまで憲法論議が進まなかったのは安倍政権の強引な国会運営が野党の反発を招いたからだ。まずは首相が国会審議を軽視する姿勢を改めるべきではないか。

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