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社説

安倍新内閣の外交 日韓、日朝の閉塞打開を

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 安倍晋三首相の近隣外交が行き詰まる中、茂木敏充外相と河野太郎防衛相が就任した。局面をどう打開するのか。2人の力量が問われる。

     首相が掲げる「戦後日本外交の総決算」は、北朝鮮による拉致問題の解決、日露平和条約の締結、日中関係の発展の三本柱だ。

     だが、首相が意欲を示す日朝首脳会談は実現の見通しが立たず、日露交渉は足踏みが続く。前進しているのは日中関係だけだろう。

     それでも、激変するアジア情勢への対応は避けて通れない。とりわけ、閉塞(へいそく)状態にある朝鮮半島の2カ国との外交は喫緊の課題だ。

     韓国が破棄した軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は11月に失効し、元徴用工判決に基づく日本企業の資産現金化が年内にも始まる。

     いずれも現実になれば日韓関係は総崩れしかねない状況に陥る。

     首相は「国と国の約束を守ってもらいたい」と述べ、日韓請求権協定に基づいて元徴用工問題を解決するよう韓国に改めて求めた。

     前外相の河野氏は駐日韓国大使への「無礼」発言など過剰な言動が目立った。茂木氏への交代で対立から解決への道筋を描くべきだ。

     10月の新天皇の即位の儀式に合わせ韓国の李(イ)洛淵(ナギョン)首相が来日するともいわれる。それを契機に話し合いのムードを高めることもできよう。

     そんな日韓関係を横目に北朝鮮は挑発を続けている。短距離弾道ミサイルなどの相次ぐ発射は日本を含めた東アジアの脅威にほかならない。

     にもかかわらず、厳しく非難しないのはなぜか。日朝首脳会談の実現は重要だが、それに支障が出ると考えてのことなら、本末転倒だろう。

     トランプ米大統領は短距離弾道ミサイルを問題視していない。核問題でも北朝鮮に融和政策を進めるのではないか、との疑念は根強くある。

     日米韓の連携が弱まれば北朝鮮に足元を見られる。豊富な米国人脈を持つ茂木、河野両氏が米政権と認識のすり合わせを重ねる必要がある。

     首相は官邸外交の要である国家安全保障局長に警察庁出身の北村滋前内閣情報官を充てた。これまでは外務事務次官出身の谷内正太郎氏が各国の指導者の側近と協議し首脳外交を下支えしてきた。新たな官邸外交も試されることになる。

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