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今よみがえる森鴎外

/6 衛生靴を作らせた 庶民の健康を願う=エッセイスト・平松洋子

 森鷗外は焼き芋が好物だった。焼いてあるから衛生的だというのがその理由である。仕出し屋の弁当や生ものを嫌い、家では果物も煮て食べた。長女の茉莉は「前の日の麦湯が薬罐(やかん)の底に残っていると忽(たちま)ち腐敗するから、熱湯でゆすいでよく乾いてからその日の分を入れろ、というさわぎ」とエッセーで述懐している。

 とはいえ、清潔好きとか潔癖症だという話ではない。文士、森鷗外はすなわち、ドイツで最新の衛生学を学んだ医師、森林太郎。じっさい、小説「舞姫」「うたかたの記」を発表した明治23(1890)年は、帰国後さっそく衛生の啓蒙(けいもう)活動に邁進(まいしん)するさなかだった。

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