メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

抗NMDA受容体脳炎

見えない後遺症(上)難病克服し社会復帰も…記憶障害でホテル勤務2度の「失敗」

 難病「抗NMDA受容体脳炎」を患った女性が、病気の発症から本格的に社会復帰を果たすまでの約8年間をまとめた「お母さんのこと忘れたらごめんね」(星雲社刊)が出版された。精神疾患や他の脳炎を疑われて適切な治療を受けるまでに8カ月を要したことや、退院後も後遺症による記憶障害(高次脳機能障害)の深刻さに気づかぬまま何度も就職に失敗した様子を描いた。けいれん発作など激しい症状が強調されがちな病だが、同書を手にすると、「目に見えない」障害という側面が浮かび上がってきた。【照山哲史】

 この脳炎は、実話を基にした映画「8年越しの花嫁」(2017年12月公開)で注目された。書籍は、元教員の石崎泰子さん(65)=茨城県那珂市在住=が、長女の美香さん(37)=同県つくば市在住=の看病に当たって付けた記録ノートなどからまとめた。「お母さんのこと忘れたらごめんね」は、美香さんが発症当時に無意識に発していた言葉だ。

 出版を前に泰子さんからそれを聞いた美香さんが「急激に忘れていく『自分』を自覚していたことにショックを覚え、自分にはどうすることもできない恐怖感のようなものを感じた。自分が自分でなくなってゆく過程を表現するのにふさわしい言葉だ」と考えて、タイトルにすることを決めた。

この記事は有料記事です。

残り2931文字(全文3464文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「本能寺の変 原因説総選挙」 50説から選ばれたトップは、やはり…

  2. やっぱり新型コロナ危険因子だった喫煙、肥満 「足の赤いあざ」が示す感染の疑い

  3. 学校、公共施設で次亜塩素酸水の噴霧休止相次ぐ 厚労省「濃度次第で有害」

  4. ブルーインパルス飛行「プロセスはどうでもいい」 経緯明かさぬ河野防衛相に疑問の声

  5. 「ウイルスある程度まん延」専門家が読む北九州の現状 他都市も再燃警戒

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです