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社説

新内閣とアベノミクス 「出口」はいつ見えるのか

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 6年半以上に及んだアベノミクスを総括して、異例の政策から抜け出す「出口」に道筋をつける。安倍晋三首相の「総裁4選」がなければ、長期政権の仕上げに取りかかる新内閣の重要課題のはずである。

     しかし、実際は、逆にアクセルを踏み込もうとしているようだ。景気へのカンフル剤を打ち続け、経済をゆがめる「負の遺産」がたまっている、にもかかわらずだ。

     まず「第一の矢」である異次元の金融緩和だ。首相は内閣改造の翌日に早速、日銀の黒田東彦総裁と会談した。異次元緩和が引き続き重要な役割を担うことを示すものだ。

     世界経済の減速懸念が高まり、米欧の中央銀行は緩和路線に転換した。日銀も追加緩和を辞さない構えだ。ただ、異次元緩和の弊害を一段と際立たせる恐れがある。

     追加緩和の候補の一つとされるのはマイナス金利の拡大だ。3年半前に導入されたが、物価は日銀の思うようには上がらず、むしろ金融機関の経営を悪化させた。拡大はかえって経済の停滞を招きかねない。

     「第二の矢」の積極財政にはもっと拍車がかかりそうだ。改造後、首相は消費増税に備え「十二分の対策を遺漏無く実施する」と強調した。

     だが安倍政権ではっきりしたのは景気拡大による税収増を当てにした財政運営の行き詰まりである。

     予算を肥大化させたため、税収が増えても借金頼みは深刻化した。国と地方合計の借金残高は今年度末で1120兆円と、現政権の発足直後から200兆円近くも膨らむ。

     放漫財政を助長したのが異次元緩和による超低金利だ。巨額の借金は将来に先送りされる。金利が将来跳ね上がれば、社会保障費などを大幅に切り詰める事態に陥りかねない。

     そもそもアベノミクスは、異次元緩和と積極財政で時間を稼ぎ、その間に「第三の矢」の成長戦略を推進して経済底上げを図るものだった。首相は「私がドリルの刃となって岩盤規制を打ち破る」と宣言していた。なのに成長戦略は不発のままカンフル剤を常態化させてしまった。

     首相の総裁任期満了は2年後だ。翌年から団塊の世代が75歳以上になり始め、社会保障費が急増するとみられている。超高齢社会が間近に迫る中、「出口」の明示は急務だ。

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