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肥前評論

「まさか」に潜む危険 /佐賀

 目の前の道路は茶色く濁った水が覆っていた。どれほどの深さか正確には分からないが、大したことはないだろう。カメラを胸に抱え、冠水した道路を歩き始めた。

 豪雨の際にいつも思い出す体験だ。2003年夏、福岡県飯塚市の中心市街地が広く冠水した。全国的に有名な芝居小屋「嘉穂劇場」も浸水したとの情報を受け写真撮影に赴いた。が、徐々に水深は増し、胸までつかって浮遊感を覚えるに及んで恐怖にとらわれ、途中で引き返した。「そういうことやってると危ないよ。流されなくても、けがをすればそこから菌が入って破傷風になる」。他社の記者の冷静な指摘が身にしみた。

 近年、災害の増加で「正常性バイアス」という言葉が一般的になってきた。異常事態でも「まさか自分は大したことにはならないだろう」と考え適切な対応をしないことをいう。まさに16年前の私がこれだった。

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