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京アニ事件で異例の経過 被害者の実名報道、どうあるべきか

ジャーナリスト・大谷昭宏さん=猪飼健史撮影

 35人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件。犠牲者の実名を巡っては京アニ側が公表しないよう申し入れる一方、メディア側は早期の発表を求めるなど異例の経過をたどった。被害者の実名報道はどうあるべきなのか。3人の識者に聞いた。【山根浩二、青島顕】

 記者として事件事故を取材した経験から言えば、名前は「生きた証し」にほかならない。事件現場を訪れた人の中には「名前がわかったから改めて手を合わせに来た」という方がいらしたし、京アニの最新作には被害者を含むスタッフ全員の名前が記された。メディアが実名を報じるのは、被害者の人生を風化させないという決意の表れでもある。

 私自身の経験を振り返ると、まずはメディアスクラム(集団的過熱取材)だ。神戸連続児童殺傷事件(1997年)では、殺害された男児(当時11歳)の自宅周辺にマスコミが殺到し、遺体は自宅に戻れないまま荼毘に付された。父親は警察から「収拾が付かなくなる」と言われ、遺体を連れ帰るのをあきらめたそうだ。以降、メディアスクラム対策は進んだように思う。京アニ事件でも遺族との取材交渉を代表社が行うなど、混乱を避けて…

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