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「週刊ポスト」9月13日号掲載の「韓国なんて要らない」特集に対して差別を扇動していると抗議の声が多く上がった。
版元の小学館は配慮を欠いていたと謝罪したが、「日本型ヘイトスピーチとは何か 社会を破壊するレイシズムの登場」の著者・梁英聖氏は、それを(1)事実の調査(2)ルール違反の確認(3)処罰や賠償――の、いずれもない典型的な“日本型”謝罪だと評する。本稿では言語学の一分野である言語行為論の「遂行動詞」という概念を引いて、この問題を考えてみたい。
例えば英語でdeclare(宣言する)、promise(約束する)といった動詞を用いた場合、発言の時点で語られた内容を遂行したとみなされる。公の場で宣言し、約束した内容を覆すと厳しく叱責されるのは、発言自体が“たかが言葉”といって済まされない、社会的な“行為”とみなされるからだ。
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