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(埼玉県北本市)
毎年、敬老の日になると亡き祖父母を思い出します。小学生のころ夏に帰省すると、祖父と近くの川でドジョウやフナを網で捕り、それを祖母が甘いしょうゆ味に煮込み、酢飯にのせたザッコずし(雑魚ずし)を食べるのが楽しみでした。ほおばる私をのぞき込むようにして「うまいか、うまいか」と聞く祖父母の姿が印象的でした。
中学生になり反抗期を迎えた私は、帰省しても祖父と魚捕りはしなくなり、祖母が作ったあのすしを勧められた時も、心の中では食べたいと思いながらも「こんなまずい物いらない」と断ってしまいました。その時の祖父母の寂しそうな表情が今も忘れられません。その年を最後に帰省することはなくなりました。
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