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社説

米イラン対立の行方 直接対話で緊張の緩和を

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 核合意を巡り対立する米国とイランが、緊張の緩和を模索するようなメッセージを互いに発している。

     イランは今月に入り、米国による経済制裁への対抗措置として新型の遠心分離機の稼働を始めた。核合意からの逸脱の第3弾だ。

     ただし、国際社会が最も懸念していたウラン濃縮度の20%への引き上げは見送った。説得を続ける欧州に配慮し、外交的解決に扉を閉めなかったと評価されている。

     そこへ米国から接点を探る兆候が出始めた。トランプ大統領が「前提条件なしに」イランのロウハニ大統領と会談する用意がある、とポンペオ国務長官らが明言した。念頭にあるのは、各国首脳が米国に集う今月下旬の国連総会だ。

     米国はイランに対し「最大限の圧力」政策を掲げ、原油禁輸をはじめ各種の制裁を科してきた。だが、欧州諸国は批判的で、ホルムズ海峡の航行に関する米国の有志連合構想は賛同が広がらなかった。

     強硬派のボルトン大統領補佐官は解任された。これが米国の外交姿勢の転機になる可能性もある。

     しかし、直接対話へのハードルは高い。ロウハニ大統領は米国が制裁を撤回し、核合意に復帰することを対話の条件に挙げている。それらを譲歩して会談に臨めば、反米の保守強硬派に突き上げられ、国内で足元が揺らぎかねない。

     米国にしても既存の合意に復帰する気はない。新たな合意を求めているからだ。対話をすれば、イランにウラン濃縮の停止や弾道ミサイル開発の禁止など、より厳しい条件を突き付けるだろう。

     だからといって接触を拒んではならない。少なくともペルシャ湾での船舶の安全航行を確保し、偶発的な軍事衝突を避ける話し合いの場になり得る。両国首脳の直接会談は1979年のイラン革命後、一度もない。

     フランスのマクロン大統領は両者の会談をかねて働きかけてきた。イラン核合意はそもそも仏独英露中も介在した国際社会の枠組みだ。その目的はイランはもとより中東地域を安定させることにある。

     米国とイランの緊張は政治的にも経済的にも世界に不利益をもたらす。だからこそ国際社会は当事者同士の対話の後押しに努めるべきだ。

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