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前田「ほなみ」は名作ドラマが由来 補欠からマラソン界のヒロインに

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優勝し笑顔の前田穂南=東京・明治神宮外苑で2019年9月15日午前11時55分(代表撮影) 拡大
優勝し笑顔の前田穂南=東京・明治神宮外苑で2019年9月15日午前11時55分(代表撮影)

 マラソン界に新たなスターが誕生した。15日に東京都内で行われた東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)で、女子は前田穂南(ほなみ)(23)=天満屋=が優勝し、初の五輪となる東京五輪代表に決定した。ほぼ五輪と同じコースで「一発選考」という前例のないレースで、コツコツと積み重ねてきた努力が実を結んだ。

 過去の補欠人生とは決別し、一躍主役の座へ。前田は2012年ロンドン大会まで4大会連続でマラソン五輪代表を輩出した名門・天満屋復活を印象づける好走を見せ、「自信を持って最後まで走った」と笑った。

 小学校のマラソン大会では常に1位。中学から本格的に長距離に取り組み、強豪の大阪薫英女学院高に進んだ。しかし、1学年上の松田瑞生(24)=ダイハツ=らレベルの高い選手が多く、駅伝では補欠ばかり。3年時の全国高校駅伝で悲願の初優勝をした際も、都大路を走れなかった。同校の安田功監督の紹介もあり天満屋に入社したものの、体の線が細く周囲を不安にさせたという。

 心配は杞憂(きゆう)に終わった。数々のマラソン選手を育て上げた天満屋の武冨豊監督が「こちらが休ませないといけない」と驚くほどハードな練習を積んだ。物静かだが、芯の強い性格。高校時代から正月でも練習を欠かさなかった。

 そんな前田がマラソンへの憧れを抱いたのは09年夏。世界選手権女子マラソンで尾崎好美さんが銀メダルを獲得した姿に感動したことがきっかけだ。あれから10年。五輪や世界選手権代表の経験はないが、「マラソンで五輪に出て、世界と戦いたいという強い気持ちがあった」と東京への切符をつかみ取った。武冨監督は「(前田が)一番すごいなと思うのは、競技のことをすべて生活の一部にしていること」だとストイックさに目を見張る。

 両親は優しくおっとりした女の子になってほしいとの願いを込め、柔らかい感じの「穂」と「南」を名前に選んだ。フジテレビのドラマ「東京ラブストーリー」(1991年)が好きで、主演の鈴木保奈美さんと同じ読み仮名の「穂南(ほなみ)」と名付けたという。「金メダルを目指して練習に取り組みたい」と語る東京五輪のヒロイン候補は、来夏の五輪へと続く「東京マラソンストーリー」を紡いでいく。【新井隆一】

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