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読書日記

今週の筆者は情報学者・西垣通さん 滅亡へ突進する人間の愚かさ

西垣通さん=東京都目黒区で、宮本明登撮影

 ■山椒魚戦争(カレル・チャペック著、栗栖継訳・1978年)岩波文庫・1231円

 科学技術の発達が人類にもたらすものを鋭く問うSFの古典的名作。新訳「サンショウウオ戦争」(栗栖茜訳、海山社)も2017年に刊行されている。

 オオサンショウウオという生き物を、残念ながら私は間近で見たことがない。

 これは体長一メートルにもなる大型の両生類とのこと。黒く丸い頭と短い手足、イボだらけのずんぐりした体で水辺をヨチヨチはい回る。普通は淡水にすむのだが、これが偶然海に移動し、餌の多い好環境で繁殖したらどうなるか? 高い知性をもち言語を習得したら?……「山椒魚(さんしょううお)戦争」は、そんな仮定のもとに書かれたお話である。

 著者カレル・チャペックは戯曲「ロボット」を書いたことで知られるチェコの作家である。ただし、おなじ諷刺(ふうし)作品でも、本書は相手が人工機械でなく動物なので、よけい身につまされる。人間が知性をもったのも、必然でなく進化の偶然なのだし。

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