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余録

「古着屋が袖口で知る左きき」…

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 「古着屋が袖口で知る左きき」。買い取った着物の傷み方で持ち主の利き手が分かるという江戸時代の川柳だ。着古した後はおむつや雑巾に、ごみとして燃やした灰は「灰買い」が引き取る。慢性的な物資不足だった鎖国下の江戸は、究極のリサイクル社会だった▲当時の職人の賃金上昇率から、この時代は低成長だったとの分析がある。使い倒す社会は、新品が売れない社会と背中合わせだ。その悩みを克服しようと生まれたのが、リサイクルを一歩進めた「アップサイクル」という考え方である▲モノを再資源化するだけでなく、付加価値を持たせる。ベンチャー企業「日本環境設計」が目をつけたのは、国内で年に100万トンも捨てられている不要衣料だった▲小売店で古着を回収し、綿はバイオ燃料に、ポリエステルは高純度のポリエステルに再生する。品質を落とさず、混紡でも処理できる技術力が評価され、ファッションブランドが同社の再生繊維でTシャツを作った▲アップサイクルを推奨する国連との協業も進む。消費者の罪悪感を和らげ、企業にとっては環境への貢献になり、省資源にもつながる。この「三方よし」の商売は、毎日ファッション大賞の特別賞に選ばれた▲来夏の東京五輪・パラリンピックでは、ユニホームとメダルに同社の技術が生かされる。家庭の不用品がトップ選手の活躍を支え、たたえる。「『捨てない』未来は必ず来ます」と岩元美智彦(いわもと・みちひこ)会長。江戸の知恵を21世紀に生かす、日本発の挑戦だ。

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