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社説

マイナンバーカード ポイントでは定着しない

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 国民一人一人の番号が記載されたマイナンバーカードを普及させようと、政府は新たなポイント還元策を来年度中に導入すると決めた。

     カードを持っている人がスマートフォンのアプリで買い物のお金をチャージすると、国費でポイントを上乗せする。入金2万円に対してポイント5000円分をつけることを軸に検討する。還元率は25%と破格の高い比率だ。

     カードは身分証明書に使え、役所の手続きを簡単に済ませられる。行政事務の効率化にも役立つ。

     だが制度開始から3年半以上経過したのに交付は1700万枚余りで普及率は14%にとどまる。政府は来年7月には3000万~4000万枚へと一気に増やしたい考えだ。

     とはいえ、高額のポイントで広めようというのは理に合わない。

     政府が昨年行ったアンケートで、国民が使わない理由として多く挙げたのは個人情報流出への不安である。ならば丁寧な説明や対策の強化で不安解消に努めるのが筋だ。

     幅広く利用されるには、信頼される制度として社会に根付く必要がある。ポイントで人為的に増やしても国民の理解は広がらないだろう。

     消費増税に伴う景気対策の役割を持たせているのも無理がある。

     政府が行う別の景気対策が来年6月までに終わるため、その後の消費を支える狙いがある。4000万枚に5000円ずつ還元すれば、総額2000億円の巨額事業となる。

     だが増税の目的は、国の膨大な借金を減らし、負担先送りに歯止めをかけることである。大盤振る舞いするのは本末転倒だ。

     さらに問題なのは、キャッシュレス決済を推進しようとスマホなどの利用を条件としたことだ。高齢者らはスマホになじみが薄い。カードの普及を図るなら、人口の多い高齢者への浸透が欠かせないはずだ。

     目的の違う政策を強引に一緒にしたから矛盾が生じるのではないか。

     そもそもカードで利用できる行政手続きは、コンビニでの住民票発行などまだ限られている。

     政府は来年度末には健康保険証として使えるようにする準備を進めている。定着に必要なのは、ポイントよりも、利用できるサービスを拡大し国民の利便性を高めることだ。

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