片山泰輔・静岡文化芸術大教授 政治家は表現内容に口出せぬ あいちトリエンナーレ「不自由展」中止問題
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」中止を巡り政治家の発言が相次いでいる。「公税の使い道」を理由に政治家が文化事業の内容に踏み込む発言をするのは適切か。文化政策が専門の片山泰輔静岡文化芸術大教授に聞いた。【永田晶子】
同芸術祭は事業費約12億円で愛知県が約6億、名古屋市が約2億円を負担。既に採択された文化庁の補助金約7800万円も含む(交付は年度末の見込み)。入場料収入や企業協賛金も見込んでいるが、総額の6割超が税金で賄われている。
そうした事情を背景に8月1日の開幕直後から従軍慰安婦から着想した少女像などが出展された「不自由展」を問題視する政治家発言が相次いだ。河村たかし名古屋市長は展示中止を求め、慰安婦は「事実でないとの説も強い」として「税金を使った所で(展示)しなくてもいい」と批判。菅義偉官房長官は文化庁の補助金交付の是非を検討する考えを示し、大阪市長や神奈川県知事も税金投入に異議を唱えた。
この記事は有料記事です。
残り1028文字(全文1461文字)