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社説

新大学入試英語の混乱 見切り発車は許されない

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 新しい大学入学共通テストに導入される英語民間検定試験について、全国高校長協会が来年度の実施の延期を文部科学省に要請した。

     これまで文科省へ訴えてきた懸念がいっこうにぬぐえていないという。協会のアンケートでは、全国の高校の約7割が延期を求めている。要請は高校側の総意だ。だが、文科省はあくまで来年度から始める姿勢を崩していない。

     検定団体の一つの日本英語検定協会がきのう、他団体に先駆けて予約申し込みの受け付けを開始した。高校と文科省の溝が埋まらないまま制度が動き出したことで、多くの受験生が不安を感じていることだろう。

     民間試験は「読む・聞く・書く・話す」の英語の4技能を測るため、6団体の7種類が導入される予定だ。来年4月から12月までに受けた試験の成績が大学側に提供される。

     新制度が発表された当初からあった評価の公平性への疑問は、今も解消されていない。都市部の受験生が有利となる地域格差の問題では、文科省は離島の受験生について試験時の交通費の支援を打ち出したが、対象が限られていて解決には程遠い。さらに、試験の詳しい日程や会場の公表も進んでいない。

     そうした課題への懸念は、大学側の迷いにもつながっている。文科省の調査では、今年8月1日時点で民間試験を合否判定に活用するかどうかを未定とした大学が全体の約3割に上った。

     自分の受けたい試験を希望の時期、場所で受けられるのか。そもそも志望大学がその結果を活用するのか。開始まで半年に迫っているのに、受験生は最低限の情報を得られていない。

     多くの課題が解決されていない状況により、不利益を被ってしまうのは受験生だ。文科省は延期すればかえって混乱を招くと主張しているが、これだけ穴だらけの制度のままでは、受験生が「実験台」になってしまう。見切り発車は許されない。

     まずは大学の対応や検定団体の予定が詳しく公表されることを最優先に考えるべきだ。

     そのタイムリミットを間近に設定し、それが果たされなければ、延期を含めた対応の再検討をしなければならない。

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