メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

松島の自由奔放3トライを生んだオフロードパス ジョセフHCの狙いが当たる

【日本-ロシア】前半、ディフェンスを振り切り松島(手前)が2本目のトライを決める=東京・味の素スタジアムで2019年9月20日、長谷川直亮撮影

ラグビーW杯1次リーグA組 

○日本30-10ロシア●(20日、東京・味の素スタジアム)

 仲間がタックルされながらもふわりと浮かせたパスを、日本のWTB松島は大事につかんだ。前半終了間際、トライまで約10メートル。松島は右タッチライン際を一気に加速する。相手に触れさせることなく、インゴールまで疾走し10―7で逆転。チームに漂う押しつぶされそうなほどの重圧が、ようやく消えた。

 互いの信頼感が、見る者を楽しませる「自由」なプレーを生む。逆転トライの場面は、中央付近でボールがSO田村、CTB中村と渡った。中村はタックルされ、倒れながらも、瞬時の判断で大外へとパスを放ち、松島が受け止めた。「培ったものを自信を持ってできた」と中村。日本の最初のトライを挙げたのも松島で、同じくバックスがオフロードパスでつないで演出した。

 ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は、日本の敏しょう性とスキルを生かすために「スペースを作り出す」ことを重視してきた。オフロードパスも、その一つの手段。前回大会は確実性が下がる奔放なパスは敬遠されたが、ジョセフHCはFWにも高度なパス技術を求めた。受けた瞬間にはじいたり、手首をひねって放ったり。プレーの特徴に関係なく、全員が多彩なパス練習に時間を割いて磨いた。

 松島は、後半28分には右中間へ3本目のトライ。日本のW杯での1試合最多トライ記録を更新する「ハットトリック」を決めた。開幕前の記者会見でチームメートから、「松島が3トライ取るらしい」と冗談めかして言われていたが、まさに有言実行の活躍になった。「トライはみんなでつなぎ、ワンチームで取れた。もっと調子を上げていきたい」。「桜」一色に染まった夢舞台で、まずはこの4年の進化を見せた。【角田直哉】

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです