連載

変革

時代の波にもまれる日本企業や組織を描く「変革」第11部は、04年の球界再編問題から大きく変化してきたプロ野球のパ・リーグに迫る。

連載一覧

変革

第10部 マルハニチロ/4 食卓、消えた「銀ムツ」

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
天福苑のメロ料理。値段は張るが、人気メニューだという=中国江蘇省無錫で2019年8月21日、赤間清広撮影
天福苑のメロ料理。値段は張るが、人気メニューだという=中国江蘇省無錫で2019年8月21日、赤間清広撮影

 「こんなに脂が乗ったおいしい魚があるのか……」。大西洋に浮かぶスペイン領カナリア諸島の最大都市ラスパルマス。1985年、大洋漁業(現マルハニチロ)の現地駐在所に勤務していた福田隆(67)は、その魚を初めて食べた時の驚きを忘れられない。魚の名は「メロ」。南極付近の深海に生息する。その美しい白身に福田は引きつけられた。

 3年後、日本で輸入魚の買い付け担当となった福田は、メロを日本で広めようと売り込みを始める。93年に大手スーパーの店頭でチリ産のメロの試食販売を試みたところ、1日1500パックと爆発的に売れた。「メロじゃ売れそうもないので、何かいい名前がないかな」。銀ダラやムツが連想される「銀ムツ」に商品名を決め、価格は3切れで500円弱。スーパーの店員は「何十年もやっているが、こんなに売れた魚は初めてだ」と目を…

この記事は有料記事です。

残り767文字(全文1126文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集