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英由来「ラグビー精神」と日本の伝統とのハーモニー 横浜のパフォーマー、W杯開会セレモニー

開会式でパフォーマンスを披露するサカクラカツミさん=東京・味の素スタジアムで2019年9月20日、藤井達也撮影

 20日に開幕したラグビー・ワールドカップ(W杯)の開会セレモニーの冒頭で、横浜市在住のダンスパフォーマー、サカクラカツミさん(56)=本名・坂倉勝己=がソロパートの大役を務めた。英国由来の「ラグビー精神」と、日本の伝統的価値観との共通性に着目し、練り上げた独自のパフォーマンスを披露。大観衆を魅了した。

 サカクラさんの表現は、幼少期から鍛えた空手の動きと米黒人文化であるストリートダンスを融合させた切れ味鋭いダンスが持ち味。プロジェクターで投影したコンピューターグラフィックス(CG)と実際の動きを同調させる演出が日本以上に海外で話題を呼び、2015年には国際オリンピック委員会(IOC)総会式典に出演した経歴も持つ。

 派手な演出の裏で、サカクラさんが常に表現しようとしているのが「他者を思いやる心」「調和」「礼節」といった日本人が美徳としてきた精神だ。背景には、服装や髪形まで黒人をまねてストリートダンスに熱中した20代のころ、憧れの黒人ダンサーから「日本にはクールな文化があるのに、なぜ黒人のまねをするのか」と諭された原体験がある。それ以来、日本の精神や伝統文化が持つ「カッコよさ」を世界に発信しようと表現を磨いた。

 今回、出演依頼を受けたサカクラさんが演出のため文献や資料を読んで気づいたのが、試合後に健闘をたたえ合うノーサイドやフェアプレーといった「ラグビー精神」と、明治~昭和期の教育者・新渡戸稲造が「武士道」として描いた「義」「仁」「礼」などの価値観との共通性だったという。「当初は強豪国でもない日本がW杯を開催する意義に戸惑ったが、武士道を知る日本だからこそラグビー精神を世界に発信できると感じた」と話す。

 本番では、自身でデザインした衣装をまとい、武道や伝統芸能の動きを取り入れたダンスを披露。CGで折り紙がボールに変わる演出や、ラグビーの選手やポジションの多様性を表す15人の神々による舞などを通じて、日本文化とラグビー精神を同時に発信しようとの思いを込めた。パフォーマンスを終えたサカクラさんは「大観衆の熱気に後押しされ、最高の演技ができた。日本文化のアピールにつながればうれしい」と語った。【坂井隆之】

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