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台風15号の教訓 「完全防災」から「非脆弱」へ=中西寛・京都大教授

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=北山夏帆撮影
=北山夏帆撮影

中西寛(ひろし)・京都大教授

 9月は関東大震災にちなんだ「防災の日」から始まるが、近年、防災に関する重要な事案が起きることが多い。昨年は関西地方を台風21号が襲い、北海道胆振(いぶり)東部地震で大規模停電を経験した。今年も先日の台風15号で広範囲に被害が生じた。一日も早い復旧を祈りつつ、今回の事案から学ぶべき教訓を考えてみたい。

 今回の特徴は、インフラ被害に対する応急対応が長期化している点である。初動の遅れが響いている感が否めない。台風通過時に政府やメディアの関心が都心部に集中し、地方への注意が薄かったことの影響もあるだろう。しかし、昨年の台風21号は通過が日中で、SNS投稿で被害状況がつぶさに発信されたのに対し、15号の通過は夜間だったため映像が発信されず、朝には通信網が途絶してしまい、被災状況があまり伝えられなかった…

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