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社説

一騎打ちの台湾総統選 中国との距離感の選択だ

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 来年1月投票の台湾総統選が事実上、民進党の蔡英文(さいえいぶん)総統と国民党の韓国瑜(かんこくゆ)高雄市長との一騎打ちの構図で争われることになった。中国との距離感が問われる選挙になる。

 中台関係の行方は東アジアの安全保障にも大きな影響を与える。民主主義が定着した台湾のトップ選びの行方を注意深く見守りたい。

 与党・民進党は昨年11月の統一地方選で惨敗し、蔡氏は党主席を辞任した。しかし、年初に中国の習近平国家主席が台湾に「1国2制度」の受け入れを迫り、蔡氏がこれに強く反発したのを機に支持が回復した。

 6月以降は香港から中国への容疑者移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案に対する香港の大規模デモが続いた。「1国2制度」を拒否してきた蔡氏には追い風になった。

 韓氏は統一地方選で「韓流」と呼ばれたブームを起こし、民進党の金城湯池である南部の高雄市長選で予想を覆して勝利した。市長就任後に訪中し、対中関係改善を経済浮揚に結びつける方針を示してきた。

 予備選で韓氏に敗れた鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(かくたいめい)前会長が柯文哲(かぶんてつ)台北市長と連携し、無所属での出馬を検討していたが断念した。

 米中貿易戦争が長引く中、米国は8月、台湾へのF16戦闘機売却を決めた。事実上、蔡氏支持の姿勢を示したとみられている。

 一方、中国は南太平洋のソロモン諸島、キリバスと相次いで国交樹立に動き台湾との断交に追い込んだ。

 1996年3月の初の総統直接選挙では中国が台湾周辺でミサイル演習を実施し、米国が空母派遣で台湾擁護に動いた。

 台湾の選挙に米中双方が深く関わるのはそれ以来だろう。両国の覇権争いの最前線に台湾が位置するということかもしれない。

 台湾には独立でも統一でもない現状維持志向が強い。経済では中国への依存が強まる一方、安全保障では米国を頼るのが現実だ。

 中国は台湾に「一つの中国」の受け入れを迫っているが、強圧的な対応では台湾の反発を招くだけだ。

 台湾は民主化の進展やアジア初の同性婚容認など多様性のある社会の構築で存在感を高めている。大国の思惑に翻弄(ほんろう)されず、自由な選択が行われることに期待したい。

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