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社説

新たな社会保障会議 2040年見据え安心の議論を

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 安倍晋三首相を議長とする「全世代型社会保障検討会議」が発足した。首相は「令和時代の新しい社会保障制度を大胆に構想する」と強調した。果たしてそうなるだろうか。

 検討課題として挙げられているのは、厚生年金に加入できるパート労働者を広げて支え手を増やすことや地方の医師不足対策、副業・兼業の推進などだ。すでに他の会議で議論されて方向性も出ており、大胆な構想にはなりそうもない。

 「全世代型」といっても、10月に始まる幼児教育・保育の無償化など子育て世代への支援策はすでに着手している。「ライフスタイルの多様化に対応する」ともいうが、目指すものはあいまいだ。

 会議の民間メンバーには、連合など労働界の代表はいない。社会保障制度の担い手側の意見が直接に反映されない状況では、踏み込んだ議論は難しいのではないか。

 社会保障をめぐってはこれまで、民主党政権時代に自民、公明両党と合意した「税と社会保障の一体改革」が実行に移されてきた。団塊の世代が75歳以上となる2025年を見越した対策だった。これから取り組まなければならないのは、高齢者数がピークに近づく40年に向けた備えを講じることだ。

 高齢者が増えるほど医療や年金の費用は膨らみ、今後は、特に介護費の伸びが大きくなる。年金は次第に目減りし、貧困高齢者の増加が懸念されている。

 現役世代の雇用を安定させて年金の底上げを図ることや低年金者対策は欠かせない。雇用の継続と合わせた年金の支給開始年齢引き上げも検討課題だろう。

 高額薬やiPS細胞(人工多能性幹細胞)などの再生医療を、どこまで公的保険でカバーするのかについての国民的な議論も必要だ。

 会議では、消費税のさらなる増税など財源確保策は話し合われないという。財源論に蓋(ふた)をしたままでは、高齢者の介護費や75歳以上の医療費の自己負担増など、つじつま合わせで終わる懸念は拭えない。

 40年を見据えて、一体改革後の社会保障の姿を描いていくことが必要だ。長期的な見通しが示されないようでは、国民の将来不安には応えられない。

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