メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

レイハラ、法で防止を 大阪NPOが意見書 外国人労働者受け入れで

[PR]

 国籍や人種への配慮を欠く言動「レイシャルハラスメント」を、企業のパワーハラスメント防止を義務づける改正労働施策総合推進法の対象にするよう、大阪市のNPO法人「多民族共生人権教育センター」が厚生労働省に意見書を提出した。今春に改正入管法が施行され、特定技能の在留資格での外国人労働者受け入れが始まる中、同センターは職場の環境整備に必要だと主張している。

 同推進法はパワハラを「優越的な関係を背景に、業務上必要な範囲を超えた言動で労働者の就業環境を害する」と初めて定義。在留外国人は、2018年末で約273万人と増えていることもあり、センターは今月17日に厚労省に意見書を提出し、年内にも策定する指針に、パワハラに該当する具体的な行為として「レイハラ」を明示することを求めた。

3割の在留外国人が差別的言動を経験

 法務省の委託調査(17年発表)によると、無作為抽出した1万8500人の在留外国人に尋ね、回答した4252人のうち、過去5年間に差別的なことを言われた経験者は「よくある」「たまにある」を合わせて29・8%だった。差別的言動を行った相手で一番多いのは「見知らぬ人」(53・3%)で、2番目は「職場の上司や同僚・部下、取引先」で38・0%(複数回答)だった。意見書は「差別的言動は精神的・身体的苦痛を与え、職場環境を悪化させる」と指摘している。

 今月18日の厚労省の労働政策審議会分科会でも、レイハラが取り上げられ、関係者によると、委員から「外国人であることなど属性に関するハラスメントも指針に明記すべきだ」との意見が出た。同省担当者は「パワハラの定義に基づき、個別的に該当するか否か、判断することになるだろう」と説明する。

何気ない言葉が傷つけていく

 特定の民族や人種差別をあおるヘイトスピーチと比べ、レイハラは何気ない一言が発端になる。センターは企業研修で役立ててもらうため、該当する典型例や、被害者の声などをまとめた動画を自主制作した。センターには「社内会議で(外国人なので)考え方が違うと言われた」(日本、カナダにルーツがある20代女性)や「名刺を出したら嫌いと言われた」(40代の在日韓国人女性)――など、切実な声が寄せられる。

 センターの文公輝(ムンゴンフィ)事務局長は「職場で差別的言動の標的になりやすい外国人に対する被害予防と救済法を確立してもらいたい」と期待する。【岡崎大輔】

レイシャルハラスメント

 特定の人種や民族、国籍に関する、人種的な偏見に基づく嫌がらせ。日本人しかいないことを前提とした会話、ミスや考え方の違いを特定の人種に結びつけて評価することなども含む。今年4月に改正入管法が施行され、政府は5年間で最大約34万人の外国人労働者の受け入れを見込む。上司と部下の関係だけでなく、取引先と従業員などあらゆる関係性で起こりうることが懸念される。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 八戸女児切りつけ 殺人未遂容疑で14歳少年を逮捕 「殺すつもりだった」供述

  2. 八戸女児切りつけ 殺人未遂容疑で少年を緊急逮捕

  3. 原発事故、安倍政権扱った作品問題視か ウィーンの芸術展、日本大使館が公認取り消し

  4. 青森・八戸で女児が見知らぬ男に首切られる 防犯カメラに男の姿

  5. 「桜を見る会」参加の山口県議ら、ブログ削除相次ぐ

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです