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社説

ゲノム編集食品 消費者が選べるルールに

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 新技術のゲノム編集で品種改良した食品について、消費者庁は特定の遺伝子を壊しただけの食品には表示を義務付けないと決めた。

     従来型の品種改良と基本的に変わらない、との判断だが、新しい技術だけに消費者の間には戸惑いがある。東京大などが昨年実施した調査では、ゲノム編集食品を「食べたくない」人が4割以上に上った。

     従来の品種改良と区別がつかないとしても、食べるかどうかを消費者が選択できるようにしてほしい。そのためには、生産者による届け出も、食品の表示も、「義務」と位置づけることが必要ではないか。思わぬリスクが分かった時のすばやい対応にも役立つ。

     従来の遺伝子組み換え作物は本来その生物が持たない遺伝子を外から付け加えて作るものがほとんどだった。こうした組み換え食品には安全審査と表示が義務付けられている。

     一方、ゲノム編集を使うと、生物の遺伝子を狙った位置で切断し、その働きを止めることができる。切断箇所に望みの外来遺伝子を組み込むこともできる。

     ゲノム編集食品はもっぱら前者によるもので、降圧効果が期待される物質を多く含むトマトや筋肉量の多いマダイ、収量の多いイネなどが研究レベルで作られてきた。

     政府は後者に従来通りの規制を課す一方、前者を規制対象からはずした。遺伝子が壊れて新種が生じることは自然界でも起きるし、食品の遺伝子を調べても区別できないとの考えに基づく措置で、情報の届け出は求めるが、義務化はしていない。表示を任意としたのも、この流れに沿ったものだ。

     しかし、この考えは世界共通ではない。日本は米国に近いが、欧州では司法裁判所がゲノム編集食品も従来の遺伝子組み換え作物と同様の規制の対象との判断を示している。

     日本の専門家の中にも、ゲノム編集は望む作物を「設計する」ものである以上、製造物責任を明確にするためにも届け出を義務化すべきだという意見がある。

     ゲノム編集食品の届け出は10月から始まる。届け出や表示の状況を見つつ、消費者の選ぶ権利を最大限尊重するルールの在り方について検討を続ける必要がある。

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