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社説

携帯料金の官製値下げ 空振りで終わらせるのか

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 「期待外れ」との落胆の声が広がっている。NTTドコモなど大手携帯電話3社の10月からの新料金プランを見た多くの消費者の反応だ。

 菅義偉官房長官による昨夏の「4割値下げできる」との発言をきっかけに、政府は携帯料金の「官製値下げ」を目指してきた。

 市場が大手3社の寡占状態で、十分な競争が起きていないと見たためだ。通信料金高止まりの背景と指摘された端末代と通信料のセット割引を、10月から施行する改正電気通信事業法で原則禁止にした。

 当初は、ネット通販大手の楽天が10月に「第4の事業者」として参入する予定もあった。法改正と新規参入の相乗効果で、消費者には大きな恩恵がもたらされるはずだった。

 しかし、楽天は今月上旬、携帯基地局整備の遅れから本格参入を延期すると発表した。これを機に値下げ機運は一気にしぼんだ。

 ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクはそれぞれ改正法施行に先駆けて、最大3~4割の値下げをうたったプランを導入していた。ただ、いずれも大幅に値下げされるのは、家族契約などさまざまな条件に合うユーザーだけだった。

 10月の新プランではもっと割安で便利な内容が期待されたが、3社は料金水準や条件の抜本的な見直しに踏み込まなかった。

 ソフトバンクとauは端末代を最大で半額にするプランも打ち出した。だが、端末に100日間は他社回線が使えない「SIMロック」が掛かる仕組みで、総務省からも批判されている。

 3社は国の方針に沿っているという。しかし、実態は顧客の他社への乗り換えを封じる「囲い込み」を続けているように見える。解約の抑制が20%前後の高い利益率をあげる源泉となってきたからだろう。

 民間が決めるはずの料金に国が介入する「官製値下げ」は本来、好ましいことではない。だが、そんな異例の事態を招いたのは、3社による激しい顧客の「囲い込み」競争が携帯市場をゆがめてきたからだ。

 現状では、消費者は負担軽減を実感できない。今回の値下げの動きが空振りに終われば、結果として3社は消費者の信頼を失ってしまうことを自覚すべきだ。

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