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記者の目

原爆は絶対悪 訴え続ける人々 核の悲劇、群像劇は問う=元田禎(広島支局)

「河」の広島公演で労働者役を演じる板倉勝久さん(中央)=広島市西区で2017年12月、広島文学資料保全の会提供

 ◆元田禎(ただし)広島支局

 広島原爆への怒りをつづった「にんげんをかえせ」の詩で知られる峠三吉(1917~53年)とその仲間を描いた「河」という戯曲がある。戦後の日本を施政統治した連合国軍総司令部(GHQ)による言論統制に抵抗し、原爆の絶対悪を訴えた若者を描く群像劇だ。作者の土屋清(30~87年)が活動拠点とした広島では29年ぶりに2017年に再演され、昨年には京都でも上演された。その足跡をたどった「ヒロシマの『河』」(藤原書店、土屋時子・八木良広編)も7月出版された。出演者らを取材した私は、本紙広島面で「『河』に魅せられた人々」を10回連載した。

 その過程で感じたのは、峠が生きた時代が決して遠い過去ではないということだ。戦後74年を経ても核戦争の脅威はつきまとい、今も癒やされぬ心の傷を負った人がいた。

 「河」は、被爆した峠が4年後の1949年に結成した詩人サークル「われらの詩(うた)の会」のメンバーを軸に展開する。GHQのプレスコードで原爆に関する表現が制限される一方、朝鮮戦争で米軍が核兵器使用を計画した頃と重なり、芸術とのはざまで10~20代の若者が苦悩する。広島・京都公演は劇団主催ではなく、集った有志が作り上げた。

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