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社説

上野女流棋聖の健闘 もはや男性優位ではない

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 囲碁界に新しい時代の到来を予感させた。

     上野愛咲美(あさみ)女流棋聖が竜星戦で準優勝を果たした。全棋士に参加資格がある棋戦において、女性としては史上最高の成績となる。

     囲碁では、女性の棋士も本因坊戦など7大タイトル戦を含む棋戦に参加できるが、これまではベスト8どまりだった。

     17歳の上野女流棋聖は決勝進出まで、前碁聖の許家元八段ら男性トップ棋士を次々と破り、快進撃を続けた。決勝では連覇を狙う一力遼八段に負けたが、「ハンマーを振り回す」と評される激しい攻めを見せた。

     何より男性優位のゲームだという既成の考え方を揺るがした。価値ある結果だろう。

     2016年のプロ入り以来、躍進は本人の熱心な研さんのたまものだ。昨年は、謝依旻(シェイイミン)六段から女流棋聖を奪取して史上2番目の若さで女流タイトル保持者になった。

     一方で囲碁界を大きく変えているのが、人工知能(AI)だ。AIを活用することで経験不足を補うことができ、序盤戦の戦い方が変わった。上野女流棋聖もAIを研究に取り入れていることで知られる。

     現在、国内の棋士は481人いるが、そのうち女性は96人しかいない。圧倒的な男性社会だ。

     そのなかで、英才特別採用枠の仲邑菫(なかむらすみれ)初段をはじめ、今年度は8人の女性の棋士が誕生した。

     男性と互角にわたり合える女性が出てくることが呼び水になり、女性の裾野が広がれば、おのずと強い棋士も増えるはずだ。

     囲碁界だけでなく、女性の「プロ棋士」が一人も生まれていない将棋界も、女性の躍進が目立つ。

     里見香奈女流6冠は、プロ編入試験を受験できる資格が得られる目前まで迫った。西山朋佳女王も、プロ入りの最終関門となる奨励会三段リーグで戦っている。

     日本将棋連盟も女性のプロ棋士が誕生した場合に備え、女流棋戦にも引き続き参加できるという新たな規定を作った。時代の流れを考えれば、当然の措置だろう。

     囲碁も将棋も、勝つか負けるか、結果がすべての世界だ。強い者に男性も、女性も関係ない。見たいのは、心躍る勝負だ。

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